【リポート】5月30日(土)「まぼろしの博多人形師 ふぐ笛作家 垣内敬一展」リポート
はかた伝統工芸館では、
ただ今「まぼろしの博多人形師 ふぐ笛作家 垣内敬一展」を開催中です。
垣内さんは、1921年、津屋崎の呉服屋に生まれ。
15歳で博多人形師・故 小島与一氏に弟子入りし、
独立後、1958年ブリュッセル万国博覧会では、
自ら生み出した「ふぐ笛」人形が銅賞を受賞。
伝統的な博多人形の制作と同時に郷土玩具としての
人形づくりにも力を入れていたそうです。
今回の作品展は、実娘・ひさ子さんが約1年をかけて、
作品や記録を整理・準備を重ねて実現したものです。
博多人形師として32年、これまで紹介されてこなかった作品やデッザン画、
人形の原型など約80点を展示しています。
47歳の若さで亡くなられた“まぼろしの博多人形師垣内敬一氏”の
太く短い人生を作品と共にご紹介しています。
垣内氏の作風は幅広く、美人ものから童もの、肖像人形、
お多福の面、木目込み人形など土人形だけでなく木彫や節句旗など、
多彩な才能が見られる作品の数々は圧巻です。
作品の中には、今上天皇へ献上された翁の面や
昭和の大横綱・大鵬などの力士の肖像人形など、
全国的に幅広く活躍されていたことが分かります。
ひさ子さんいわく、
「とても社交的で、東京や大阪などに出向いて、自分の目で見て、
作品作りを極めていたそうです。
さすが、小島与一氏の愛弟子。
与一さんも人形作りのために、人体の骨格・筋肉構造、近代美術の表現技法、
着色などさまざまな角度から技術を学び、歌舞伎など全国各地を目で見てまわり、
人形作りの研究をしていたそうです。
垣内さんが生み出した、銅賞を受賞した「ふぐ笛」は、
何とも愛らしいまん丸い目が特徴でシンプルな人形ですが、
下関の「ふくせんべえ」の中に入れる玩具として多くの方に親しまれたそうです。
舞妓さんたちも身近に持っていたようですね
垣内氏は弟子を取らなかったため、
このままでは「ふぐ笛」人形を残すことができなくなってしまう、
ひさ子さんは、独学で技術を習得し、「ふぐ笛」人形を
よみがえらせました。
そして今では、娘・ひさ子さんを中心に、ひさ子さんの娘(孫)さんも
一緒に作っているそうです。
さらに少しづつですが、娘さんのお子さん(ひ孫)の3代に渡り
「ふぐ笛」の技法は受け継がれているそうです^^
作品展では、「ふく笛」の原型もあり、作品も一部販売していますので、
是非見に来て下さい。
6月2日(火)までなので、お早目に。