【リポート】博多人形ウミネコ人形リポートVOL.1!
先日、博多人形師 松尾吉将さん制作の「ウミネコ人形」の
ニュースをお届けしましたが、
今日は『ウミネコ人形ができるまで』をご紹介します。
今年の1月中旬にお話が来て、1月下旬から松尾さんの資料集め、
ウミネコ制作が始まりました。
ウミネコを見たことがないので、あらゆる資料を集め、
実物は動画や博物館のはく製を見に行ったり、
ウミネコに似ているカモメを見に行ったりと悪戦苦闘の毎日。
まずはイメージする原型の荒彫りです。
実は、工芸館でも展示会中にウミネコ作ってました~
そして合間をぬって北九州の博物館でウミネコのはく製を見学し、早速スケッチ。
羽根の細部にわたり、色や質感をしっかり目に焼き付けます。
戻ってさらに目に焼き付けた羽毛を実際に彫っていきます。
原型ができた後は、中身の粘土をくり抜いていきます。
さあ、問題は足の部分。
胴体を支えるにはあまりにも細すぎるので、
粘土だけでは立たない可能性が大きいため、
ステンレス素材を使って芯を組んでいきます。
足と本体のバランスを見ながら足に肉付けをしていきます。
焼成前に、羽毛の細かな部分を彫りこみます。
焼き上がりです!
素焼きのウミネコ人形が誕生~
感動~
次は彩色です。
彩色が入り、ウミネコ人形に魂がどんどん入れられていきますが、
ここから松尾さんのこだわりが始まります。
最初にイメージした翼の部分に納得いきません。
別に羽を作り、重ね合わせ、ウミネコの翼を見事に表現していきます。
さあ、最後に目入れです。
完成!
「さあ、明日納品できますね」っと言おうと思いきやここで終わりではありません。
松尾さん、納得いかない様子で仕上がったウミネコをじ~っと見つめて動きません。
実は、このウミネコ人形の完成には秘話があります。
ウミネコ人形の仕上がりを見て、松尾さんのお母様が
羽毛の質感に対していった一言が、松尾さんの人形師魂に火をつけ、
この時点から、羽毛の質感を出すために、
一本一本描いていく彩色をやり直し始めたのでした。
そこからコツコツと3時間。
白い羽毛の部分のモコモコ感や、
尾羽が重なり合う質感をさらに表現したものが見事完成!
はく製のウミネコの後姿
博多人形のウミネコの後姿
見事ですよね~
出来立てのホヤホヤウミネコ人形~
苦労した部分もたくさんありましたが、松尾さんはこう振り返ります。
「苦労した羽毛の部分は、遠くからは羽毛の質感は分からないが、
近づいてみると毛並の細かさが分かる。
この技術は博多人形の特徴であるので、そこは妥協したくなかった。
足の部分に関しても、ウミネコが2本の足でしっかり立つ勇壮な姿を、
八戸市のみなさんと重ね合わせて想いを込めて作りました。
この休憩所のオープンと共に、地域が盛り上がることを願っています。」
と、ほっとした表情で語ってくれました。
そして、このウミネコ人形の制作の裏側には、
松尾さんファミリーの大きな支えがあってこそ。
このようなあたたかみのある作品が完成したんだと思います^^
そしてみなさん、本日、蕪島休憩所がオープンしました。
この続きはまたお伝えします。