【リポート】2月8日(日)「博多人形商工業協同組合青年部・新作展」リポートVOL.3!
「博多人形商工業協同組合青年部・新作展」リポートVOL.3をお届けします。
「博多人形商工業協同組合青年部・新作展」、
今日は松尾吉将さん、溝口堂央さん、永野繁大さん
3名の人形師さんの作品をご紹介します。
美人ものから干支ものまで幅広い作品を手掛ける
松尾吉将さんの新作「ブレーメンの音楽隊」。
動物ものでも定評のある松尾さん。
今回の縁起もののテーマで、「動物で作りたい!」と思い、
ブレーメンの音楽隊を題材にユーモアたっぷりの作品が完成しました。
ブレーメンの音楽隊は、音楽隊になることを目指して
ロバ・犬・猫・おんどりの4匹の動物たちが旅をします。
物語の最後で4匹の動物たちが力を合わせて
ドロボウを追い出すエピソードから、
厄除けや縁結びの置物としてこの作品を持ってもらえたらと、制作したそうです。
原作のドイツでは、「マルクト広場」にあるブレーメンの音楽隊の銅像の
ロバの前足をなでながらお願いごとをすると、
願いが叶うというジンクスがあるそうです。
「若い人たちにも興味を持ってもらえる童話をモチーフにし、
動物の素朴さを表現しました。
この作品を見て楽しい気持ちになってもらい、
厄除けや縁結びとして、玄関などに置いてもらえれば嬉しいです。」
と松尾さん。
この作品は型を取るのが難しいので、1品作となるそうです。
松尾さんのその他の展示作品
【熨斗出し】
2014年「第65回新作博多人形新作展」に出品され、
見事、福岡市長賞を受賞された作品です。
白無垢の細部にわたり研究し、
博多人形の特徴である「白」にこだわって制作した渾身の作品。
【吉丸/とら・うさぎ・たつ・へび・うま・ひつじ】
人気の動物シリーズ。干支ものとしてだけでなく、普段使いにしたい作品。
【吉丸/ひつじ・水晶ひつじ】
今年の干支としても人気の作品で、見ているだけで癒されます。
続いて、溝口堂央さんの新作「童大黒天」
多くの幸せをもたらすとされる大黒さまの姿を子どもに見立てて制作。
大黒さまの彩色にはこだわり、
昔から先祖に伝わっているような生活のにおいや、ほこりなど、
わざと古色の風合いが出るよう工夫したそうです。
「古色の風合いと、縁起のよさ、子どものかわいらしさを大黒さま全体に表現し、
家に置いていると、福が舞い込んできますようにと心を込めて作りました。」
と溝口さんは思いを語ってくれました。
溝口さんのその他の展示作品
【福良雀持ち童子】【福良雀】
「聞き耳頭巾」をモチーフに制作。
童子の上品な表情と雀の羽根に施した彩色の美しさ、繊細さご覧ください。
雀の羽の彩色の細かさと色彩をご覧ください。
【干支もの/瑞羊・未面】
今年の干支にぴったりの未の作品。
面の未は置物として、壁掛けとしてもおすすめです。
【猩々】
中国の伝説の動物。
赤い顔をした人間のごとき容姿で酒を好む。
能の演目でも有名で、
真っ赤な能装束で飾った猩々が酒に浮かれながら舞い謡う様子を表現。
【映月】
杯に映し出された月がお酒で揺れて見える様子や
それを眺める表情の表現力をご覧ください。
着物の柄は頭の先から全身にわたる細部にまで、
細かく丁寧に彩色が施されています。
最後に永野繁大さんの作品です。
【祝福】
福岡女学院のメイクイーンのイベントの中で、
メイクイーンを祝福している女学生をモデルに制作。
自他ともに認めるセーラー服にこだわりを持った異色の人形師が表現する独特の世界観。
【雪合戦】
子どものあどけない表情や雪がぶつかって飛び散った様子など
細かく表現しています。
ご紹介してきました、作品の数々は、人形師さんたちの技術はもちろん、
作品をつくるまでに、資料を集めたり、勉強したり、
技法を新たに生み出すために研究を重ねたり、
日々努力をしてひとつの作品が出来上がることを教えていただきました。
伝統工芸品とはそれらすべてのことが積み重なって作られた
”こだわりのもの”というのを
分かったいただければと思います。
今回ご紹介した新作の作品は、
どの人形師さんの作品もすべて10,800円というサービス価格で、
青年部のみなさんが特別に提供してくださいました。
※そのほかの作品は人形師さんそれぞれに違います。
是非、この機会に伝統工芸を身近に感じてみてください。
新作展は、2月17日(火)まで、最終日の17日は17:00までです。