【リポート】2月7日(土)「博多人形商工業協同組合青年部・新作展」リポートVOL.2!
「博多人形商工業協同組合青年部・新作展」リポートVOL.2をお届けします。
現在開催中の新作展は、人形の展示だけでなく、
青年部の人形師さんが毎日交代で工芸館に常駐してくださっています。
ご来館のお客様に人形の説明や質問を受けながら、和気あいあいとしています。
さて、今日は、小副川太郎さん、西山陽一さんの作品をご紹介します。
まず、小副川太郎さんの新作から「福禄寿」です。
七福神の一人で、背が低く、長い頭と長いひげ、
経巻を結んだ杖を持った姿でおなじみの神様。
七福神の中では地味な印象ですが、
福星(子孫)・禄星(財産)・寿星(健康を伴う長寿)の神様として
とても縁起のいい神様なのです。
そこで今回のテーマにぴったりと、「福禄寿」を選んだそうです。
ただ、本来表現される頭が長いイメージを一新し、
縁起ものとして、まあるい感じを出したかったということで、
全体的にまあるい、ほっこりした「福禄寿」が完成しました。
彩色にもこだわり、着物の質感を出すために、
柄にひび割れ具合の彩色を施し表現しています。
「この作品で、幸せな気持ちになって、
人生まあるく過ごせますようにと、守り神としてそばに置いて頂けたら」
と小副川さんは語ってくれました。
小副川さんのその他の作品です。
【軍神】りりしい表情は、今でいう“イケメン”
【常在戦場】
昔も今も、男は常に戦場にいる。
サムライの時代と、現代のサラリーマンをオーバーラップさせて表現。
この作品も“イケメン”です
【豆腐小僧】
日本の妖怪で、特に悪さをすることはなく、
町中に豆腐や酒を届けに行くおつかい役として登場する
今でいう癒し系キャラ?の妖怪。
妖怪好きな小副川さんならではの表現で、
かわいらしくとぼけた表情が癒されます。
続いて、西山陽一さんの新作は、「お地蔵さん」。
西山さんの作品では珍しく、縁起物ということで、
一番に浮かんだのがお地蔵さんだったそうです。
地蔵菩薩といって、常にこの世とあの世を往来し、
死者を地獄の苦しみから救い、この世で苦しむ人を救済するという仏教の菩薩です。
お地蔵さんは衆生を教え、導き、救済する役目を果たしますが、
衆生の苦しみを自らが身代わりになってくれたり、
庶民のあらゆる願いをかなえてくれたりするありがたい菩薩で、
子どもの守り神としても信じられています。
「多くのことを包み込んでくれる「お地蔵さん」を表現しました。
心癒される表情や色使い、細かいところまでこだわって作りました。」
と西山さんは語ってくれました。
足の指先まで細かく表現しています。
西山さんのそのほかの作品です。
【井筒】
西山さんの得意とする能もの。
見る人によって能面の表情はさまざまな表情に変化します。
【未乃神】
干支ものとしてではなく、神様を表現した未。
髙いところに飾って、みんなを見守ってくれる守り神。
【だるまるだ】
博多人形は触るものではありませんが、
この作品はあえて触って楽しんでもらえるように制作したそうです。
江戸時代のだまし絵を参考に上下ひっくり返しても
だるまの顔に見える技法で作った作品。
期間中は、人形師さんも毎日待機しています。
人形師さんに直接質問などが出来る機会はめったにありません。
みなさん、是非お越しください。
では、次回残り3名の人形師さんたちの作品リポートをお届けします。