1月24日(土)「なつかしい子供の遊び展」リポート!VOL.5
博多人形白彫会「なつかしい子供の遊び展」リポートVOL.5をお届けします。
さていよいよ5作品のトリを飾るのは「なつかしい子供の遊び・冬」です。
制作者は、辻下重丸氏・小島康彦氏・木本秀一氏・永野繁大氏・小副川太郎氏
5名の博多人形師のみなさんの作品となります。
真っ白い雪が降り積もった雪景色の中で
「雪合戦」や「雪ソリ」「雪だるま」「かまくら」などで遊ぶ様子を再現しています。
「冬」の作品はとにかくどの作品も仕事が細かく、
作品の細部まで見入ってしまいます。
そのリアルさは、子どもたちの表情に留まらず、
かまくらの中でおもちを焼くシーンの
おもちから小道具にまでほんとうに細かに再現しています。
その「かまくら」は、子どもたちがかまくらの中でおもちを焼いてくつろぐシーン。
おもちはもちろん、炭火でおもちを焼く網までリアルを追及していて、
網のリアル感を出すために網戸の網を使って表現したそうです。
さらにすごいのは、炭と火箸。
炭を入れる木箱、木炭のデコボコ感や、火箸の質感を見事に表現しています。
「雪ソリ」は、子どもたちの表情と一緒に、木やタイヤをソリにして遊ぶ様子と
遊び道具まで、細かに作られています。
「雪だるま」や「雪合戦」では、子どもたちの豊かな表情をまず見て下さい。
一生懸命雪合戦用に作った雪をかき集める子どもや、雪をなげる子ども、
それをよけようとする子ども、雪がぶつかって顔中雪だらけになる子ども、
靴や洋服や髪にも雪をつけて遊んでいる子供たちの様子が楽しく表現されています。
人形師さんいわく、
「そこまでこだわらなくてもと、言われるくらいこだわって作った」。
なので、これは、実際に作品の細部にまで渡る仕事を、是非見て欲しいです!
さて、お届けしてきました「なつかしい子供の遊び展」5作品の紹介は
以上になりますが、
大作以外に、作家さんの個人の作品を何点か展示・販売しています。
作品の1部ですが、
新春を制作されている下川貴士さんの作品を紹介します。
「ラブシーン」という題名の作品。
男の子と女の子のカップルが映画をみているシーンなのですが、
映画館の中にいる様子を表現するためにわざと薄暗い色彩で描いています。
ちょっと想像してみましょう。
男の子がとぼけた表情で女の子の手に近づき、
手を繋ぎたそうにモジモジしている様子・・・
おませな女の子もまんざらではない表情で
男の子をチラリと見ている様子が見てとれます。
どうでしょう、想像してからまたみるとそう見えてきませんか?
このワンシーンから表現する色彩、しぐさや表情は、
「ラブシーン」というタイトルと共に、
見ている方々それぞれの想像を湧き立てる作品となっています。
「なつかしい子供の遊び展」は2月3日(火)までです。