2020.8.10 【リポート】「博多人形妖怪展」リポートVOL.3
「第六界博多人形妖怪展」リポートVOL.3
今年で6回目となる「博多人形妖怪展」は、
毎年新作も登場し、妖怪ファンのみならず、
幅広い層の方々に楽しんでいただいています。
今日の妖怪たちをご紹介します。
まずは、「カッパ」です。
体は子供のようで、全身は緑色または赤色。
頭に皿があり、いつも水で濡れていて、
皿が乾いたり割れたりすると力を失ってしまう。
背中には亀のような甲羅があり、手足には水掻きがある。
主に川や沼の中に住んでいるとされている。
海に住むカッパもいるとされ、
酒飲みカッパと言われているようです。
カッパは、いたずら好きだが悪さはしない
など言い伝えはいろいろあります。
好物はキュウリ、泳ぎと相撲が得意で義理固いなど、
カッパはキャラクター性が高いからか、
いろいろな表情を持つイメージがありますね。
「妖怪展」でもそのキャラクターは、
作家さんによって表現も違います。
「かっぱ」 宮永誉 作
お酒と好物のキュウリを嬉しそうに持っています。
この後、独り占めしたキュウリをつまみに、
美味しそうに食べる姿を思い浮かべて見てください^^
「かっぱ」 博多人形工房
手足が長く、ちょっぴりリアルなカッパです。
「三面小僧」 臼杵康弘 作
※完売しました。
「しょうけら」 木本秀一 作
※非売品
元禄年間の書籍『庚申伝』では、しょうけらは、
三尸という人間の体内にいる虫のことを指しているそうです。
その三尸を擬人化した姿で、獣の姿をしていて、
人間に害をもたらす妖怪とされてるようです。
現代では、庚申待の日に、
人間たちが規則を守っているかどうかを監視していて、
規則を破る人間にしょうけらが罰を与えるとされているそうです。
「付喪神」 梶原正二 作
付喪神(つくもがみ)とは、
長年使い古された道具や物などに霊魂や神が宿った妖怪のことです。
九十九神(つくもがみ)とも書き、
長い時間を表す百に一つ足らないことから、
長い時間使い込んだ道具が神になるという信仰があったそうです。
付喪神は人をたぶらかす妖怪として室町時代頃から登場し、
「付喪神絵巻」や「百鬼夜行絵巻」など様々な書物に描かれています。
平安時代の京の都には、
古くなって捨てられた道具や器などが「付喪神」という妖怪になり、
夜中ぞろぞろと行進する「百鬼夜行」という伝説がありました。
『付喪神絵巻』では、器物は百年経つと精霊を宿し付喪神となるため、
人々は「煤払い」と称して毎年立春前に古道具を路地に捨てていた。
それに廃棄された器物たちが腹を立てて
節分の夜に妖怪となり一揆を起こすが、人間や護法童子に懲らしめられ、
最終的には仏教に帰依をする。
この作品は、その付喪神(つくもがみ)の中の、
「沓」「鰐口」「琴」「琵琶」の妖怪を表現しています。
鰐のウロコ一枚一枚、
琴や琵琶の木目の部分などはとても細かく表現されています。。
特に琴の弦は13本の弦を1本1本張って、
本物に忠実に作っているというこだわりようです!!
是非、注目してみてください。
梶原さんは、
「毎年少しづつ増やして行こうと思っています。」
と言われていたので、また来年を楽しみにしたいですね~。
「のざらし」 宮永誉 作
「ぬえ」 宮永誉 作
源頼政が退治したという、
頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎の姿をした
伝説上の妖力をもった怪獣ですが、
この作品は可愛らしさが全面に出た
ほっこりする妖怪に表現されています。
「かみきり」 永野繁大 作
江戸時代や明治のころに出没したとされる
人間の髪の毛をいきなりバッサリと切り落としてしまう妖怪。
「はぢっかき」シリーズ 永野繁大 作
人間にある「恥」「赤っ恥」「青っ恥」を妖怪で表現。
色を重ねることで「恥の上塗り」を表しています。
「羅殺女」 梶原正二 作
西遊記に登場する妖怪。
普段は芭蕉洞に住んでいる美しい牛魔王の妻ですが、
持っている火焔山の火を消せる芭蕉扇を孫悟空が借りに来ると
凶暴な鬼女に変身し羅殺女となる。
この作品は、鬼女に変身する前の美しい鉄扇公主の姿を表現しています。
孫悟空が欲しがっている芭蕉扇
衣や装飾、髪の生え際まで細かく表現されています。
鉄扇公主の美しさにうっとり・・・
この美しい姿の裏には、
恐ろしい鬼女が潜んでいるのを想像して見てください・・・