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2020.07.17

2020.7.17  【リポート】「絲衣司 紫と茜物語」リポートVOL.1 

「絲衣司 紫と茜物語」リポートvol.1




今日から始まりました「絲衣司 紫と茜物語」。


京都爪掻本綴(つめかきほんつづれ)の匠・服部秀司さんが、
「紫と茜のこだわりの絲」を使って織りあげた帯を
お楽しみいただきます。



さて、その「爪掻本綴」とは
どんなものかを今日はご紹介します。

西陣織の12の品種の中のひとつである「綴(つづれ)」。

その起源は古く、紀元前15世紀頃の古代エジプトの
王墓から出土した綴織技法の麻織物が最古とされているそうです。


「爪掻本綴」は、
職人さんが自らの爪をノコギリのようにギザギザに整えた爪を
道具にして糸を織り込んでいくのが特徴です。








「爪」で「掻」くの言葉のとおり、
爪で横糸を掻き寄せて絵柄を形作っていきます。


縦糸の下にある図案を見ながら、
職人さんは横糸を織り込んでいきます。








爪掻本綴は、ジャカードの装置はつかわず、
足で踏木(ふみき)を踏み縦糸を上げ下げし、
その隙間に手で持った杼(ひ)をくぐらせます。













爪を使うのは絵柄の部分で、
他の道具では織れないくらいに
細かいところを爪で織るそうです。








始めから終わりまで全て、
職人さんの手と足、身体全体を使って織っていく
手間ひまをかけてつくられたものです。


糸と機を自分の感覚だけで操り、
イメージ通りに仕上げていくまさに匠の技ですねえ。

















次は、今回のテーマでもある、
「紫と茜」の手染めの絲についてリポートします。