2020.10.15【ニュース&リポート】「博多織・博多人形伝統工芸士認定記念展」リポートVOL.1
「博多織・博多人形伝統工芸士認定記念展」リポートVOL.1
本日、「令和元年度 伝統工芸士認定証授与式」が行われました。
主催者挨拶の後、博多織と博多人形13名のみなさんに認定証が渡されました。
授与式のようす
主催者を代表して、福岡市伝統的工芸品振興委員会 寺嶋会長より挨拶
「昨年10月に試験が行われ、12月に発表があり、
今年3月に授与式を行う予定でしたが、
コロナ禍の中、延期になり、ようやく本日開催することができました。
このような状況でも、ものづくりのポテンシャルの高さをいかして、
業界全体でみなさんと一緒にがんばっていくことで元に戻ることを期待しています。
これからも本物志向で、付加価値のあるものを創造していただき、
福岡の財産であるものづくりの先頭に立って和文化の発展に努めていただきたい。」
福岡市経済観光文化局総務・中小企業 酒井部長より挨拶
「今回伝統工芸士に認定された方のうち、
福岡市が後継者育成の取組みで実施しています
博多織デベロップメントカレッジと博多人形師育成塾の
修了生から6名誕生しています。
このように、歴史をつなぐ人材が生まれていることに、
関係者のみなさんに感謝いたします。
みなさんには、新たなスタートとして、
この長い伝統の未来につなげていただきたいと思います。」
授与のようす
伝統工芸士を代表して
博多織伝統工芸士・岡部由紀子さんより一言
「博多織デベロップメントカレッジで多くのことを学ばせていただき、
その学びがあってこそ、今この場に立たせていただいていると思っています。
学校では、実技指導を中心に伝統工芸士のみなさんに直接教えてもらう中で、
諸先輩方の丁寧な仕事の上で成り立っているのだと実感し、
今日までそれを受け継いでこれたことに感謝しています。
これからも丁寧な仕事をこころがけ、
長く続けて後に残せるような人間になりたいと思います。」
博多人形伝統工芸士・緒方恵子さんより一言
「これまで支えていただいた方々に感謝いたします。
福岡の歴史とともに、昔から博多人形や博多織などの
伝統工芸を通してたくさんの人々の願いにこたえながら
ものづくりを続けてきたのだろうと思います。
それを受け継ぎ、これからも襟を正して
自分のできることを精一杯やっていきたいと思います。」
関係者より激励のことば
博多織伝統工芸士会 木下会長より
「みなさん12年以上の厳しい修行を積んでこられ、
このようなすばらしい結果となったと思います。
これからますます技術向上の研鑽に努力していただきたいと思います。
長い時間をかけて築いていきながら
多くの人から高い評価を得られることを願います。」
博多人形伝統工芸士会 益永会長より
「昨年の10月に試験を受けてから
ようやくこの場に立って自覚されたかと思います。
これからも努力・勉強を重ね、
技術の向上、業界の発展に努めていただきたい。」
みんなで記念撮影。
博多織伝統工芸士のみなさん
博多人形伝統工芸士のみなさん
認定証がナント和紙でできています。
素敵です・・・
みなさんおめでとうございます。
続きまして、はかた伝統工芸館リポートをお届けします。
はかた伝統工芸館では、
本日より「博多織・博多人形伝統工芸士認定記念展」を開催中です。
今日は、博多織の伝統工芸士(製織部門)4名の作品をご紹介します。
◆古賀陽子さん◆
<コメント>
何度も締めたくなるような心地よい帯、心躍る帯を作っていきたいです。
作品名:「365日の幸せ」 手織りなごや帯
心地よく感じるものや、好きな時間、わずかでも心が動いたその時間。
嬉しい、楽しい、美味しい、美しい・・・365日の幸せ。
古賀さんが楽しい!と思った幸せな出来事を詰め込んだ帯です。
よくみると、りんごやお魚、レンコン、イチョウの葉などetc・・・
織り込まれた遊び心も見える作品です。
変わり献上「夢見草Ⅲ」 手織りなごや帯
伝統の献上柄を細かく入れた変わり献上。
作品名の夢見草は桜の別名。
紬から柔らかな着物まで締められる帯をと、
作り始めた季節の献上柄シリーズです。
◆岡部由紀子さん◆
博多織の中でも経糸で色柄を表すものを作っています。
限られた中でも深く広い表現を求めて一越ひとこし、
大切に織りあげています。
総二重浮変献上「蜻蛉」八寸なごや帯
夏、川面に飛ぶ蜻蛉、涼やかななかにも力強い配色で表現しました。
総二重浮「朧」八寸なごや帯
雲間に浮かぶ月、朧月夜の空をイメージして表現しました。
◆平田靖子さん◆
一本でも多く織って、社会に貢献したいです。
「和更紗縞」手織り袋帯
博多伝統の特徴をいかした、
平地帯で和の様子を含んだ紋様を経糸で巧みに表現しました。
◆吉田香織さん◆
技術の研鑽を積み、次世代につなげていきたいです。
「西域記松毯唐華」九寸なごや帯
ペイズリーの愛称で世に知られた日本では、
松毯紋様と呼ばれるインドやペルシャに伝わる
勾玉型の樹木紋様を、紋針900本を使用し、
本吊り仕掛を駆使して繊細に表現。
ふくれ組織によるレリーフ壁画のような
立体感とやわらかな風合いを表現しています。
次回は、博多人形伝統工芸士9名のみなさんをご紹介しますのでお楽しみに。