【リポート】はかた伝統工芸館リポート!【博多人形与一賞展編】
はかた伝統工芸館は、
福岡コロナ緊急事態宣言等の発出を踏まえ9月12日まで臨時休館となり、
当館で開催される予定(8月11日~9月5日の期間)であった
作品展が中止となってしまいました。
そこで、このリポートを通して作品のご紹介していきたいと思います。
今日は、8月24日から開催を予定していました
「第51回博多人形与一賞展」をご紹介します。
(※作品の写真は博多人形商工業協同組合さんにご提供いただきました。)
「博多人形与一賞展」は
博多人形の次世代を担う後継者の創作意欲と技術技法の向上を図る目的で実施し、
その最優秀作品に対し、長年博多人形の発展に尽くされた
博多人形師・故小島与一氏に因んで「与一賞」を授与するもので毎年開催されています。
今回51回目となります。
博多人形の制作経験が15年以下の方が出品できるというもので、
博多人形師の登竜門とも言われ、多くの人形師さんたちが出品してきた歴史があります。
「博多人形与一賞展」は、その最高賞として「与一賞」1名、そのほかに「特選」2名、
大丸賞1名、博多人形商工業協同組合理事長賞1名が受賞されます。
そして今年の「第51回博多人形与一賞展」の受賞者はこちらの方々です。
【与一賞】
作品名「鹿踊りー三陸への祈りー」
田代 智香さん作
【特 選】
作品名「騎虎の勢い」
石井 美緒さん作
【特 選】
作品名「闘う医師~中世パンデミック~」
田中 恵理子さん作
【大丸賞】
作品名「おおきなかぶ」
川脇 綾さん作
【博多人形商工業協同組合理事長賞】
作品名「千代も人には添ひてましよし(楊貴妃)」
山本 美香さん作
受賞された皆さんおめでとうございます。
では、今回「与一賞」を受賞された田代さんについてご紹介します。
田代智香(たしろ ちか)さんは、もともと工芸に興味があったそうで、
博多人形師育成塾(博多人形師を育てる学校)に入ったことで
ますます博多人形の魅力を感じるようになり、人形師を志すようになったそうです。
<作品について>
この作品は、岩手の神事である鹿踊りをモチーフにしたそうです。
子どもの頃に岩手に住んでおり、震災10年の節目であり、
震災から復興を思い出すきっかけになればという想いで制作したそうです。
<田代さんコメント>
「先生宅に住み込みで修行しているので、
私生活から支えてくれた先生方に感謝しています。
まだ経験年数が短いので、もっと勉強していろいろな作品を作り、
博多人形師として生活できるように成長したいです。」
改めて受賞された皆さんおめでとうございます。
出品された皆さんもお疲れ様でした。
「与一賞展」を通して、
次世代を担う皆さんが、日本が誇る伝統工芸の分野で活躍する、
大きな一歩を踏み出すきっかけとなったらいいですね。
皆さんますますのご活躍を期待しています。
作品を当館で展示することができず、
皆さんに間近でご覧いただくことができなくて残念でしたが
このリポートを通して引き続き紹介していきたいと思います。