【リポート】「川﨑幸子・修一博多人形展」リポート!
「川﨑幸子・修一博多人形展」リポート!
2月28日から始まりました作品展は大変好評で、いよいよ明日までとなってしまいました。
川﨑幸子さん・修一さん揃っての作品展は、
2021年に博多部にあった時のはかた伝統工芸館で行って以来となります。
今回は幸子さん・修一さん姉弟の作品を中心に、その一門(研修生)の作品を展示紹介しています。
特に今回の見どころは、
幸子さんが「神宿る島」宗像・沖ノ島が世界遺産に登録されて作り始めた「宗像三女神」で、
6年越しに完成した大作です。
アマテラスとスサノオの誓約によって生まれた三女神。
その三女神が祀られた三宮を総称したのが宗像大社です。
宗像三女神は、海神、国家鎮守の神、交通安全の神として崇敬を集めてきました。
川﨑幸子さんがまずはじめに制作したのが「市杵島姫神」(イチキシマヒメノカミ)です。
本土の田島の辺津の宮に祀られている「市杵島姫神」のイチキは斎き(御霊を祀る・祭祀を行う)を
意味しているそうです。
次に取りかかったのが「田心姫神」(タゴリヒメノカミ)です。
沖ノ島の沖津宮に祀られており、
古事記では別名「奥津島比売命」(オキツシマヒメノミコト)とされています。
そして最後に「湍津姫神」(タギツヒメノカミ)を制作されました。
大島の中津宮に祀られており、
古事記では別名を「多岐都比売命」(タギツヒメノミコト)とされています。
この作品は、
今回の作品展に合わせてギリギリまで微調整を加えながら完成させたそうで、初お披露目となります。
制作する際に三女神それぞれに、
「祈りの前に風がふわーっと現れたようなイメージで、風を意識して作りました」と幸子さん。
三女神の領布(ひれ)を見ると風になびいているようすが表現されています。
修一さんの作品もこの三女神に合わせて、古代の九州をテーマにした作品となっており、
「古代の九州というひとつの世界を表現しました。」と、修一さん。
幸子さんの表現する作品は凛とした姿の中に美しさとやさしさが伝わります。
修一さんは力強さと繊細さの中にあたたかさが伝わります。
見る方によって伝わり方はそれぞれだと思いますが、お二人の世界観が楽しめる展示となっています。
「胸形君徳善」
宗像をまとめていた古代豪族・胸形君徳善。
宮地嶽古墳の被葬者という説もあります。
沖ノ島に太刀を奉納している場面を表現したそうです。
川﨑博多人形工房の一門(研修生)の皆さんの作品もご覧いただけます。
ここでご紹介する作品は一部ですが、是非間近でご覧いただきたいです。
また期間中は多くの皆さんにご来館いただき、見ていただくことができました。
訪れた皆さん、幸子さん・修一さんの古代の世界観に想いを馳せ、感動されて帰られる姿が印象的でした。
明日3月5日(日)17:30(入館は17:00まで)までの展示となりますので、是非お越しください。