【リポート】「木村博多織手織り専門工房展」リポート!
「木村博多織手織り専門工房展」リポート!
博多織の手織り職人・木村佐次男さんと娘・ゆき子さんの作品展は、
当館でも定期的に行われており、木村佐次男さんの人柄と、
60年以上の経験と技術で織りなす作品に魅了され、
多くのファンが訪れています。
帯はもちろん、バッグや財布、ストールなど、
日常的に使える小物も充実しており、
100点以上の作品がズラリと展示されています。
絹糸の色使いも豊富で、春らしいピンク系の作品が目を引きます。
そして今回是非、見て頂きたい作品は、
娘・ゆき子さんの想いを、父・佐次男さんが受けるかたちで
20年ぶりに復活させた、まぼろしの「さざ波筑紫」です。
20年前に、木村さんがデザインからすべて手掛けて織った
「さざ波筑紫」は大変人気の作品となり、帯も小物も売れてしまい、
他の作品も制作しなければならないこともあって、
この20年間作られていなかったそうです。
この作品は、波筬と言われる波の形をした筬に緯糸を打ち込んで
美しい曲線を織り上げる技法で、長年の経験と技術そして集中力を要するもので、
木村さんはこの作品に、1年の期間をかけて織り上げたそうです。
ゆき子さんがこの作品をもう一度織ってほしいという想いを伝え、
2019年3月、新作「さざ波筑紫」が織り上がりました。
その作品は、美しい波の曲線に上品な色使いと細かなデザインが施され、
さらに新たな、世界にひとつだけの「さざ波筑紫」の誕生です。
工房が筑紫野市にあることもあり、
作品名に筑紫と入れた木村さんの想いも伝わってきます。
織り上げたばかりの「さざ波筑紫」、
その渾身の帯、長財布、名刺入れの作品をお楽しみいただけます。
作品展は、3月19日(火) 17:00までです。