【リポート】5月16日(土「博多人形白彫会 若手作家作品展」リポートVOL.3
はかた伝統工芸館で開催中の博多人形白彫会 若手作家作品展。
今日は、下川貴士さんの作品をご紹介します。
下川さんは、子どもの頃からモノを作るのが好きだったそうで、
大学卒業後すぐ博多人形師に弟子入りし、今年22年目を迎えました。
22歳で弟子入りし、独立して12年目、
現在は幅広い作風で博多人形師として活躍され
今年博多人形伝統工芸士となりました。
今回、下川さんの作品は4作品。
まずは目力がすごい「決戦」。
黒田長政をモデルにした武士もの。
長政公と馬のバランスが一番難しかったそうです。
戦の真っ最中、長政公と馬が勇ましく戦う様子を表現しています。
続いて童ものの作風で「永久に(とわに)」と「かちまいり」。
「永久に」は、菅原道真公と牛が寄り添っています。
これは、道真公は丑年で、牛にまつわる話がたくさんあります。
太宰府に左遷された道真公は、太宰府の地で亡くなられ、
その際に、門弟が御亡骸を牛車で運んでいると、
楽寺の境内(今の本殿付近)で牛が伏して動かなくなり
道真公の御心によるものであろうと、その地に埋葬され祠を建てたのが
太宰府天満宮の起源と言われ、道真公の神使は「牛」とされました。
その話から道真公と牛が永久にいる様子を童もので表現しています。
「かちまいり」は、博多では1月9日に博多券番の芸妓衆が十日恵比寿神社で
1年間の開運と商売繁盛の祈願に参拝します。
その姿を童もので表現。
「福岡・博多の歴史や文化を博多人形で表現することで
多くの人に伝え続けることができるので。」
と、下川さんは新たな作風も作るけれどそこは怠らず
作る姿勢はブレません。
最後は「サルでも反省できる」。サルでも反省できるのだから、
反省する時はちゃんと反省しましょう。という想いを込めて作った作品。
どの角度から見ても「反省、反省」と言ってしまいそうになります。
来年の干支はサル、下川さん、来年に向けて楽しい干支もの期待しています^^