【リポート】3月22日(月)博多人形師 緒方恵子作品展「想いをつなぐ 色とかたち」リポート
今日からはじまりました、
博多人形師 緒方恵子さんの作品展
「想いをつなぐ 色とかたち」。
美人ものから歌舞伎もの、節句もの、童もの、ひな人形、
干支ものと幅広く、暖かみのある作風でファンも多い緒方さん。
今回は、与一賞受賞作品(非売品)も含め40点を展示・販売しています。
緒方さんは、博多人形師体験講座の第一期生で、
博多人形師井上あき子氏に師事し5年半の修行の後、
2007年に独立。
博多人形師の登竜門「与一賞」を2度受賞、
その他受賞歴も多数で、若手博多人形師として活躍中です。
独立して8年目を迎え、福岡で初の個展となります。
想いをかたちにして8年、緒方さんが作品を通して多くの方々と繋がり、
創り上げてきた作品の数々をご紹介します。
2006年の「与一賞」受賞作品
【華】 左から助六・揚巻・髭の意休
歌舞伎ものの大作で、“男”・“女”・“老年”の3体をそれぞれ歌舞伎もので表現。
1年の年月をかけ、作品出品日の当日の朝まで徹夜して作ったそうです。
3体を歌舞伎もので表現するのは難しいので、みんなから反対されたそうですが、
あえてこの作品作りに挑んだそうです。
そうすることで、歌舞伎や衣装、色づかいや表情の勉強をしながら、
人形作りの基礎を鍛えたかったそうです。
ギリギリまで作った作品が「与一賞」を受賞した時、
「正直、ほっとしました。」とその時の心境を語ってくれました。
2011年の「与一賞」受賞作品
【桜舞う】
「独立してから「与一賞」をとった作品なので、想いが強い作品です」。
と緒方さん。
恩人が好きだった桜であったこと、ちょうど東日本大震災の時でもあって、
北上している桜前線に想いを込めた桜だったりと、
想い出の多い桜を題材に、桜を見る人の想いを表現したそうです。
2014年の「与一賞」に出品した作品
【当世女子化粧 爪粧処】(とうせいおなごけわい ネイルどころ)
賞は取れなかったが、発想がおもしろく、
どの時代も女性はオシャレが好きだったであろうと、
ネイルサロンがあったらこんな感じかなあと想像を膨らまし、
現代と昔の時代をオーバーラップさせて表現した作品です。
賞をもらえなかった悔しさをバネに、
この作品以降デッサン力に磨きをかけるきっかけとなったそうです。
2007年の「与一賞」で特選受賞
【雲雀鳴く】
雲雀が鳴く様子を眺める女性を、粘土で形を作っていた時に、
恩師の井上かずひこ先生から体の向きをことごとく注意され、
言われる形が作れず、悩んでいた矢先に井上氏が他界。
創作意欲も消え、3か月近く作品に触れられなかったそうです。
「与一賞」出品の締切が近づく中、意を決して作り始め、
ようやく納得いく仕上がりを見て、びっくり。
なんと最初に先生に言われた形になっていたそうです。
「先生が言いたかったのは、これなのか」と気づかされた作品。
お客様から秋に飾れる人形が欲しいと言われて作り始めた作品
【憧憬】
こだわりは、シンプルなものに、凝った柄を入れる、という作品。
最初に作ったものは売れなかったが、
独立して久しぶりにライブ(スキマスィッチ)を見に行ったときに楽しくて、
その気持ちを柄に込めて制作したら、西部工芸展に入賞したそうです。
その時の柄、スキマスィッチの二人をつばめで表現したそうです。
現代の童もの
【早く撮って】
博多人形師体験講座の時に作った作品で、
自分の子どもの時を思い出して作ったそうです。
子どもの時にお父さんに連れっていってもらったアイススケート。
立つのが精いっぱいで手も足もブルブル。
そのシャッターチャンスを狙うお父さんに、
「早く撮って~」と叫んだシーン。
【人気の干支物シリーズ】
サイズも大・中・小いろいろあり、
ふんわりかわいい土鈴タイプからリアルなタイプまで
幅広い作品が勢揃いしています。
お値段もお手頃です。
30日(月)まで行っています。
おとなのぬりえも出来ますよ~