【リポート】3月14日(土)「匠の夕べ」リポート!
はかた伝統工芸館「匠の夕べ」のイベントリポートをお届けします。
当館は、福岡・博多の伝統工芸の匠の技術と作品のすばらしさを紹介し、
情報発信していますが、その事業のひとつに「匠の夕べ」というのがあります。
福岡・博多に縁のあるものを、匠を通して、より深く知ってもらい、
学んでもらうための、大人の上質な時間を楽しむイベントで、16回目となります。
昨日、その16回目の「匠の夕べ」が開催されました。
これまでも、たくさんの「匠」の方々にご登場いただきましたが、
今回の匠は、博多人形師の室井聖太郎さんです。
室井さんは、近代の博多人形界を切り開いた名匠、小島与一氏の弟子、
西頭哲三郎氏の愛弟子です。
その弟子入りから独立までのお話や人形制作の苦労話など、
ユーモアたっぷりにお話しいただきました。
室井さんは、若い時から海外プロモーションも積極的に行っており、
シンガポールをはじめ、4か国で博多人形のPRを行い、
実演販売を行ってきたそうです。
師匠の背中を追いかけながら修行し、博多人形師として、
人形の制作と博多祇園山笠の人形制作にも携わり、
経験を重ねて来られました。
山笠の人形は、舁き山と飾り山の両方を経験し、
博多人形とはまた違った角度で人形を作り上げていかなければならない、
苦労がたくさんあったそうです。
例えば、作る工程も素材も違い、見る人の目線が違うので、
遠近感を考えた人形のバランスや大きさなど、
動と静でも全く見せ方が変わってくるなどなど・・・
外から見ているだけでは、はかり知れないものばかりです。
私たちは毎年、山笠の人形のあでやかさや迫力などを楽しませてもらっていますが、
人形師さんたちの並々ならぬ努力と研究があってこそ生まれる作品なのだと、
改めて実感しました。
普段聞けない裏話や技術の裏にある努力など、
直接聞ける機会が「匠の夕べ」です。
そして、匠の話術はもちろんですが、講演の後のお楽しみは、
お食事をしながら匠と参加者との交流会です。
美味しいお食事とお酒を飲みかわしながら、
参加者の皆さんが気軽に交流できるのも、
このイベントの楽しみのひとつです。
そして、今回は、室井さんによる実演のサプライズが!
目の前にいる当館の館長の顔を粘土でスイスイと型取り、
表情や髪の毛、スーツなどをヘラで描き入れて行きます。
10分もかからず、顔の完成~
博多人形師さんのすごいところは、彩色などたくさんありますが、
粘土を自由自在に操り、あっという間に形や表情などを
作りあげる技術もそのひとつなのです。
普段は、伝統工芸に無縁でも、
このようなイベントに参加することで身近に感じていただけるいい機会です。
次回のご案内は決まり次第お知らせします^^
当館では、伝統工芸を遠い存在ではなく、身近な存在になってもらえるように、
様々なイベントを企画しています。
是非、みなさん、当館を通して、福岡・博多の伝統工芸、人に触れ、
一緒に福岡・博多を盛り上げて行きましょう。