2020.10.17【リポート】「博多織・博多人形伝統工芸士記念展」リポートVOL.2

「博多織・博多人形伝統工芸士認定記念展」リポートVOL.2



博多織・博多人形伝統工芸士の誕生を記念した作品展。
今日のリポートは、博多人形伝統工芸士のみなさんをご紹介します。


博多人形の伝統工芸士は5年ぶりの誕生で、
現在活躍する博多人形伝統工芸は46名となりました。


作品は写真ではなかなか伝わらないかと思いますが、
美人ものや武者ものなど幅広い作風で
作家さんそれぞれの個性が光った作品がご覧いただけます。


博多人形をつくるには、技術と手間がかかります。


博多人形は、粒子の細かい上質な粘土を全身を使ってこね、
粘土の空気を抜きながら、
なめらかに加工しやすくする土ねりという工程から始まります。



次に原型作りで、
作家さんたちは、粘土を自分の手や指、へらなどを使い、
顔・からだ・手・足・衣装・装飾にいたるまで、
まるで魔法のようにつくりあげていきます。
顔の表情はもちろん、作家さんによっては、
衣装の柄やしわなどを彫り込んで表現します。







複製・量産する場合は「型」をつくるので、
原型をパーツに解体していきます。
この分割する技が生地づくりに大きく影響するため、経験が必要となります。
型は石膏で作り、作品によっては、型が数十個に分かれることもあります。









生地づくりは、
パーツ毎の石膏型に粘土を手で押し込みながら生地をつくります。
型から抜いた生地のパーツを組み合わせ、一体の人形に仕上げて乾燥させます。







そして割れないように注意しながら素焼きし、彩色を施します。





最後に面相で
人形に命が吹き込まれます。







これだけの工程を経て、博多人形は作られます。



今回展示している作品を見る際には、
このような手間と細かな技術が施されていることを
知ったうえでご覧いただくと、
より博多人形と作家さんを知っていただけるかと思います。



【博多人形伝統工芸士】

馬場千代子さん 

<コメント>
伝統の技術をさらに習得して、博多人形の美しさや魅力を
より多くの方に感じて知っていただけるよう、
人形作りに精進します。
そして自分の人形を追求していきたい。







作品名:「夢」











絞りの巾着など小物も細かく表現







中村信喬さん

<コメント>
日本の人形界の発展に貢献できるよう努めたい。







作品名:「松の寿」

地唄舞 武原はんの松の寿を再現しました。
松竹梅と鶴亀を合わせたご祝儀用の曲で、
着物は黒紋付、裾の模様は金の松、帯は金地に菊の唐織、
扇の模様は金地に松を施しました。





















髪型丸髷、
本べっ甲の前櫛に笄、前挿、後ろ挿しで
明治風に表現しました。






生え際は、
芸妓さんの白塗りしたところと
地肌が見える部分をリアルに表現




光石貴さん

<コメント>
日々、研鑽を積み、表現の幅を拡げ、
多様性と消費の時代において、永く愛されるものを創造していきたい。







作品名:「舞楽 東遊」

平安時代に発展した神楽の東遊の舞人。
東国地方の風俗舞から起こり、寛平元年、
加茂の臨時祭に初めて用いられてから、
神事として詣社の祭典で奏されるようになる。
巻えいの冠に青摺袍を着用した姿で動きの少ない上品な舞。
和琴や高麗笛の曲の中、ゆるやかに左に転回する優雅な姿を表現しました。

















「祭りの華」

祭りの花形であるおめでたい獅子舞を江戸時代の風俗で制作しました。
大見得を切った姿に歓声と拍手が起こる様子を想像して表現しました。













小副川太郎さん

<コメント>
見ていて楽しくなるような、
人の心を豊かにできる人形を作っていきたい。







作品名:「番匠」

昔、日本で木造建築に関わった職人で、現在の大工にあたる言葉です。
番匠を現在に受け継がれている大工と重ね合わせて表現しました。















「魔除けの鈴」

鬼を以って鬼を制す。
自分なりに鬼瓦からイメージを膨らませ、
魔除けの効果がある鈴にかけて、土鈴で表現しました。







鬼の足をつけて、見た目は置物のように表現していますが、
よく見ると土鈴という以外さで個性を出しました。










田中勇気さん

<コメント>
博多人形師として恥ずかしくない作品制作を続けていきたい。







作品名:「うつせみの」

時代や人物に明確なモデルはありませんが、
高貴な女性をイメージしています。
十二単の柔らかさを感じられるように、
曲線を多く出し、表面も滑らかに仕上げました。









今は、純白で表現していますが、
娘のためにいつかは色をつけたいと思っています。




緒方恵子さん

<コメント>
日本の歴史と伝統を学びながら、見る人の心が和む人形を作りたい。






作品名:「創」

新縄文時代の遺跡(北海道恵庭)から出土した赤い漆塗の櫛を見て、
その形のおもしろさに魅了されました。
これはどんな人が作ったのだろうと、想像を膨らませながら表現しました。












「おひなさま」

紫とピンクのグラデーションに、
ゴールドを重ね、春を待つ気持ちを表現しました。
おひなさまを側に置いて季節を感じていただければと想いを込めました。









野田祐輔さん

<コメント>
品質を落とさないよう、伝統技法の維持と共に、
生活環境や工芸品になじみの少ない世代にも対応、
興味を持ってもらえるような人形を製作していきたい。








作品名「化身金剛神」

戦国時代、戦場では、仏の加護を得るために神仏を表現した具足、
装束を身につけて出陣する者も多く、
神懸り的な成功をおさめた者を神仏の化身として尊敬され、
語り継がれることもありました。
「化身金剛神」は
戦国の世に武者姿で化身した執金剛神を仁王胴具足で表現しました。














宮永誉さん

<コメント>
よりよい作品を作っていきたい。








作品名:「躍々の音」

心躍る音楽を一生懸命に演奏するようすを表現しました。











「いにしえ」

土偶の形や模様の面白さを表現しました。









田中勇さん

<コメント>
自由な発想や柔軟な姿勢で、お客様の要望に応えられる人形師になりたい。







作品名:「きつね躍り」

大分県「姫島」のお盆に行われる「姫島盆踊り」で、
子供たちがキツネの格好をして軽やかな舞を躍るお祭りの一場面を表現しました。










作品展は、10月20日(火)までです。


(2020年10月17日更新)

コメントは停止中です。

このページの上へ戻る